【愛知県視察研修を実施】
4月14日、経営対策委員会企画の視察研修で、地震防災研究において全国的にも有名な愛知県にある名古屋大学の減災館を訪問し、名古屋大学研究員の千葉啓広氏より減災についての講義を受けました。
講義ではハザードマップの重要性について説かれ、過去に発生した災害の被災状況とハザードマップの被害予想の照らし合わせを行いながら説明を受けました。千葉啓広氏によると、「実際の被害状況とハザードマップにおける被害予想は一定一致しており、災害対策を立てる際には非常に重要なサンプルになる。ハザードマップを基に被害想定のない場所に家や事業所を設置することで一定のリスクは下げることが可能である」と説明しましたが「安全な場所に生活基盤を立てるよりも利便性や住み慣れた地域を重視する人がほとんどであり、アンケートの統計では被害の多い場所ほど人口は集中する傾向にある。災害のことばかりを考えて生活や事業を行うことは難しい」とし、現実的には難しい問題であるとのことでした。
「災害対策は過去の被災状況も含めて地域の情報を知ることが必要で、ハザードマップはあくまでも予想なので過信しないこと。たとえ被害想定のない場所であったとしても正しく恐れ、安心しすぎないことが重要」と説明し、講義は終了となりました。
講義終了後、地震の揺れを再現することができる振動再現装置BiCURIにて、南海トラフ地震の最大規模被災時における揺れのシミュレーションを見学しました。初めゆっくりとした揺れが到達しますが次第に揺れは大きくなり、最大時には轟音とともに建物が大きく左右に揺さぶられることで家具は瞬く間になぎ倒されました。BiCURIは横の揺れしか再現できないため、被災時には縦揺れも加わるとのことです。南海トラフ地震では断層が最大で6mほど上下どちらかにズレが生じるらしく、想像するだけで恐怖を感じざるを得ませんでした。さらに揺れはピークを過ぎたあとも10分以上揺れ続けるのが特徴であるとのことで、揺れが収まる最後まで警戒を続けてほしいとのことでした。今回専門家の研究成果を目の当たりにすることで南海トラフ地震のイメージをしっかりと掴むことができ、大変な学びを得ることができました。
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